アパレルで働く30代女性が未経験転職は可能?おすすめ職種やスキルを解説
スキルや資格がない場合は、希望通りの転職がかなうのか不安を感じますよね。
一般的に30代の転職は、年齢とともにハードルが上がるため、成功率を上げるための対策が必要です。
この記事では、30代のアパレル販売から転職を考える際に必要な観点や就職先を紹介します。
アパレル販売の方が実際にどのような転職先を選ばれているのか?アパレル販売のどのようなスキルが転職市場で評価されるのか?といった内容は「アパレル販売員から転職可能なおすすめ職種は?転職活動のコツを転職のプロが解説!」の記事に詳しく解説しているためあわせてご確認ください。
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高校卒業後、某大手靴販売店にて靴・アパレルの販売を経験。 3年間働き、アメリカへ語学留学。2年目に現地のカレッジに入学し、経営学とマーケティングを専攻。 1年後に興味のあったスペイン語を学びに、南米コロンビアに10ヶ月間留学。 帰国後、エージェントからの紹介で2017年3月に不動産ベンチャーに入社。 投資用のアパート、マンションの買取再販の営業やいくつかの新規事業の立ち上げに携わり、2018年の5月より開始した人材紹介事業が軌道に乗り、法人化するタイミングで転籍。 その後、大阪支社の責任者として大阪へ赴任して支社の立ち上げに従事し、2020年7月末で退職。 2020年8月に株式会社Revengersを設立。これまで約3000人以上の方のキャリア相談に乗る。
30代アパレル販売員から未経験転職は可能?
30代で未経験職種に転職は可能です。ただし希望の職種へ転職したい場合は戦略が必要でしょう。
まず現状を把握して、転職の準備を始めましょう。
条件は厳しい
一昔前までは「転職35歳限界説」といわれ、35歳を過ぎたらまともな転職は難しいと考えられていました。しかし、転職市場が活況化し、働き方も多様化しつつある現在、30代での転職も普通となっています。
30代の転職者に企業がおもに求めているのは「即戦力」です。
同業種・同職種への転職であれば、チームリーダーや管理職を任せられる人材であり、30代後半になるとプロジェクトマネジメントの経験なども求められるでしょう。未経験職種へのキャリアチェンジであれば、なおのことハードルが高くなります。
年齢的なハンデを克服するために重要なポイントは、業種や業界を問わず活かせるヒューマンスキルのアピールです。
ヒューマンスキルとは「課題解決能力」「コミュニケーション力」「交渉力」「企画力」「調整力」などを指します。
自分の特性やスキルが転職先企業でいかに役立つかを売り込みましょう。
キャリアプランと軸が重要
30代アパレル販売員が転職を成功させるためには、今後のキャリアプランを描き、転職の軸を決める必要があります。
キャリアプランとは、今度どのようなキャリアを積み上げていくかといった具体的な計画や見通しを指します。
その後、転職によって実現したいこと、理想の働き方などを決め、転職の軸を定めます。転職活動において、何を大切に行動するかを決めておくのです。
キャリアプランを描く際に考えておくとよいのがWill Can Mustといったフレームワークです。
Will(実現したいこと) | 将来像を描く なりたい姿、やりたい仕事を描く ロールモデルとなる人物や先輩を見つける 例:プロジェクトマネージャーとして管理職になる |
Can(できること) | 今あるスキルや経験を棚卸しする 例:学歴・職歴・資格・人脈・特定のスキル |
Must(やるべきこと) | Willを実現するために必要なスキルや行動を決める 具体的なアクションを計画する |
以上のように表に整理してみましょう。
また女性の場合は、結婚や出産、育児などに大きく影響を受ける可能性があります。企業側も、長く勤めてくれる人材を優先するため、結婚や出産の予定や働き方について説明できるようにしましょう。
早めの決断が必要
30代前半と30代後半とでは転職の難易度に差があります。
30代前半であれば、現場での実務経験やポテンシャルをアピールできるでしょう。また、未経験でも30代前半であれば、スキルのキャッチアップも早めにできそうです。
一方、30代後半になると、即戦力やチームリーダーとして働いてくれるだろうと企業側の期待値が上がります。さらに体力的な問題も30歳と39歳とでは大きく違ってくるでしょう。
30代後半であれば、40代での理想の働き方に関するビジョンなども描けている必要があります。
このように30代前半と後半とでは、転職で重視される内容も違ってきます。そのため、難易度が高まる30代後半よりも、できるだけ30代前半のうちに早めに決断するのがおすすめです。
30代女性でスキルや資格がない転職については、こちらの記事で詳しく解説しています。
30代アパレル販売者のキャリアとは
転職を考える前に、自分の現在地も確認してみましょう。
- アパレル業界の平均年収
- アパレル業界の職種別平均年収
- アパレル業界でキャリアアップした場合の年収
アパレル業界のキャリアや平均年収について2022年「クリーデンス」の調査を参考に見てみましょう。
アパレル・ファッション業界平均年収は346万円
2022年のアパレル・ファッション業界の平均年収は346万円です。前年比+3万円となっています。
おもな職種のデータをピックアップしてみました。
職種 | 30代前半 | 30代後半 |
---|---|---|
デザイナー | 361万円 | 447万円 |
バイヤー | 444万円 | 492万円 |
営業・店舗開発 | 443万円 | 513万円 |
販売 | 332万円 | 363万円 |
マーケティング | 454万円 | 575万円 |
最も年収が高いのはマーケティング、次にバイヤーと営業・店舗開発です。
最も年収が低いのは販売ですが、店長であれば平均年収394万円と前年比+14万円と最も年収が上がっています。この理由としては、店舗経営の人材不足が深刻で、人材確保のために年収が引き上がったと分析しています。
職種によって年収の差は200万円以上の差
アパレル・ファッション業界といってもさまざまな職種があります。
年収差もマーケティングと販売を比較すると、30代後半で200万円近くの差が開いています。
販売員のままだと、店長になっても360万円程度であり、店長でも394万円と400万円を超えられません。
同じアパレル業界で年収アップを狙うのであれば、より高い年収の職種を狙って転職するといった戦略が重要です。
店長か本社勤務かで大きく違うキャリア
アパレル業界でも、どの職種であるかで年収やキャリアが違います。
店長になっても年収は400万円程度で頭打ちのようです。その一方で、店舗開発やマーケティングの場合は、高めの年収も狙えるでしょう。
20代のうちに店舗で現場経験を積み、専門性を身に付けて違う職種へ転職するといったキャリアプランも考えてはいかがでしょうか。
アパレル業界の30代が転職を検討するポイント
アパレル業界の30代が転職を検討する際に、考慮すべき3つのポイントについて紹介します。
転職を成功させた後のイメージが重要です。
昇給や昇格の可能性があるか
現在の給与や待遇に不満がある場合、その状況が今後も続くのか確認しましょう。
もしかすると、現職でも30代のうちに昇給や昇格の可能性があるかもしれません。現職にとどまった場合のキャリアと、転職後のキャリアを比較してみる必要があります。
もし、現状から変化がなく、収入も頭打ちであるなら、転職を検討してみましょう。
結婚・出産を経ても続けられるか
結婚や出産など、人生のターニングポイントが多い30代だからこそ、さまざまなパターンのキャリアプランを描いてみることが重要です。
独身の場合でも「もし結婚して相手が転勤したらどうする?」「妊娠や出産したら続けられる?」など、さまざまなパターンをシミュレーションしてみましょう。
10年後のキャリアモデルが存在するか
キャリアプランを描く際、40代・50代でも働き続けられるかをイメージしてみましょう。
転職したはいいものの、40代になったら続けられないような職だと、せっかくの転職が無駄になってしまいます。
できれば憧れるロールモデルが存在していると理想的です。
30代前半と後半では転職する際に気をつける点は異なります。それぞれ以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
アパレル業の30代女性が未経験から転職可能な業界
アパレル業から未経験でも転職可能な業界について紹介します。
経験でできる仕事が中心のため年齢は関係ないものを中心にピックアップしました。
サービス業
お客様に対してサービス提供する仕事で、さまざまな職種があります。
おもな職種を表にまとめてみました。
接客業 | 店舗販売員、飲食店員、店長、ホテルスタッフ、エステ・ネイルサロン、マッサージ、調理人、家政婦、ベビーシッター、介護職員、歯科助手 |
飲食業 | シェフ、バーテンダー、パティシエ、給食調理、寿司職人 |
生活支援 | 家政婦、家事手伝い、ベビーシッター |
保健・介護 | 歯科助手、看護助手、介護職員 |
アパレルの販売職もサービス業ですから、転職のハードルはそこまで高くないでしょう。
ただし年収アップの点から考えると、管理職へのステップアップが見込める職であるかを見極める必要があります。
年収ではなく、夢をかなえるのが重要であれば、下積みから始めるといった覚悟が必要です。
コールセンター
コールセンタースタッフの平均時給は地域差があるものの1,200円~2,000円で、一般的なパート・アルバイトよりも高めです。
トークスクリプトなど覚える知識が多く、クレーム処理能力など、一定以上の能力が必要といった理由があるためです。
インバウンドとアウトバウンドの2種類があり、アウトバウンドは営業スキルが必要となります。歩合制を導入しているケースもあり、実績に応じて高収入が得られます。
また、現場で成果を出せば、スーパーバイザーなど管理職へのステップアップも可能です。
スーパーバイザー(SV)の業務は、オペレーターの育成、難易度の高い問い合わせやクレーム対応、業務改善の企画や提案など幅広い視野と問題解決能力が必要となります。
営業
アパレル販売業は営業の一環ともいえます。そのため転職先としてイメージしやすいかもしれません。
営業でも次のように、さまざまな職種があります。
法人営業 | 企業を対象に契約を獲得する |
個人営業 | 消費者を対象に商品を販売する 自動車、保険、不動産、ネット回線など |
メーカー営業 | 自社製品を顧客に提案 ルート営業や新規開拓営業など |
商社営業 | 仕入れた商品を卸す さまざまな商材を取り扱う |
代理店営業 | 代理店に自社商品を販売してもらえるようサポート |
営業職に向いているのは、人とのコミュニケーションが好きな人です。
また数字や成果を求められるため、目標達成能力や体力も必要です。試行錯誤しながら自分の能力で実績を出したいと考えている人にはおすすめです。
IT系・Web系
経済産業省の「IT人材需給に関する調査」の試算によれば、203年にはIT人材が最大で78万人不足するとのこと。
伸びている業界で、体力や年齢に関係なく働けるので狙い目です。
人材不足を受けて「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」により、プログラミングやWebデザインなどの講座受講費用の70%(上限56万円)を補助として受給できる可能性があります。
補助は下記の2段階となっています。
- 受講者は講座提供企業を通じて、講座の受講費用の2分の1相当額(上限40万円)の補助を受けられる。
- さらに、リスキリングを経て実際に転職し、その後1年間継続的に転職先に就業していることを確認できる場合は、講座の受講費用の5分の1相当額(上限16万円)が追加で補助される
教育訓練給付金とリスキリングは、転職が決定していることが前提です。
また教育訓練給付金の場合は、ハローワークへ所定の書類を提出する必要があるのに対し、リスキリングはハローワークへ書類提出の必要はありません。
キャリアコンサルタントによる無料相談もあり、技術者や介護職への転職もサポートしてくれます。
未経験でも補助を受けつつ転職できるため、ITやWebの仕事に興味がある人はチャレンジしてみましょう。
転職を検討する際に注意すべき点
30代で転職を検討する際に注意すべき点は次の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
結婚や出産のタイミングを考える
女性の場合、30代は結婚や出産など大きなライフイベントが起きやすい年代です。
転職を考える際には、キャリアプランと同時に人生プランも考えておきましょう。
- 結婚する・しない
- 結婚相手が転勤したらどうする
- 子ども産む・産まない
- 子どもを産むなら何人欲しい
- 仕事で望むポジション
- 実現したいライフスタイル
以上のように、さまざまなパターンにあてはめてキャリアを考えておきましょう。そのうえで結婚や出産を望む場合は、それぞれのタイミングを考えておく必要があります。
即戦力を身に付けておく
企業が30代に求めるのは即戦力です。10年以上の社会人経験があるため、一定以上のスキルを求められるのは当然といえます。
専門スキルがない場合の即戦力としてはポータブルスキルがあります。
- コミュニケーション能力
- 人材管理能力
- スケジュール管理能力
- 企画立案能力
- 協調性
- 論理的思考力
- 問題解決能力
ポータブルスキルは「持ち運び可能なスキル」として、業務内容に左右されず発揮できるスキルです。
ビジネスの基礎力として重要といえます。またビジネスマナーなどの基本的なことは転職活動前に身に付けておきましょう。
退職のタイミングに気をつける
30代だと店長やリーダーなど責任あるポジションについている場合も少なくありません。
そのため転職のタイミングも考えておきましょう。できるだけ円満退職を心掛けたいものです。
タイミングを考えた退職までの流れは以下のとおりです。
- 退職の意思が固まったら上司に伝えるタイミングを考える
- 上司から許可が出るまでは同僚や取引先には伝えない
- 退職の申告は退職予定日の1~3カ月前までに伝える
- 店舗の繁忙期を避ける
- 最終出勤日まで責任を持って業務にあたる
通常業務と並行しての転職活動は大変かもしれません。また私生活との両立も大切です。
30代からの転職を成功させるコツ
30代の転職を成功させるコツとして次の3つを紹介します。未経験の分野への挑戦だと、とくに重要になってきます。
スキル・経験を棚卸をする
30代後半になると、マネージャーやチームリーダーなど管理職としての働きを求められます。
もし未経験分野にチャレンジしたいと思うのであれば、1年ごとに転職が不利になる可能性も。できるだけ早めに決断し、転職活動に取り掛かりましょう。
転職活動のコツとしては、自分のこれまでのキャリアや経験の棚卸をして、転職先で生かせるスキルや強みを明確にします。未経験業種であれば、ポータブルスキルをアピールしましょう。
資格を取得する
未経験でも、資格があれば転職しやすくなります。資格は、ある一定以上の知識があると証明してくれるからです。
転職に有利になりやすい資格としては次のようなものがあります。
- 簿記
- 色彩検定
- インテリアコーディネーター
- 宅地建物取引士
- 医療事務
- 介護士
- TOEIC
- MOS
- ITパスポート
転職したい業界・業種に求められている資格を取得して、それを武器に転職活動に取り組みましょう。
30代の女性の転職に役立つ資格については、こちらの記事で詳しく解説しています。
転職エージェントを利用する
効率よく転職を成功させるためには、転職エージェントを利用するのもおすすめです。
自分が気づいていない強みを見つけてくれたり、面接対策のサポートをしてくれたりと心強い存在となるでしょう。
ほかにも転職市場の動向や求人情報など、エージェントならではの視点からのアドバイスをもらえるはずです。
おすすめの転職エージェントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
30代でアパレルからの転職に関するQ&A
30代でアパレルから転職することに関して、よくある質問を集めました。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アパレルスタッフの平均年齢は?
厚生労働省の職業情報提供サイト「joctag」によれば、衣料品販売に携わる約330万人の平均年齢は42.6歳です。
取り扱うブランドによってターゲット層に近い年齢のスタッフが採用される傾向にあるため、店舗ごとのスタッフ平均年齢はまちまちでしょう。
ティーンズ向けのブランドであれば、10~20代のスタッフがメインとなり、ハイブランド店であれば40~50代のスタッフがメインになります。
参考:衣料品販売│jobtag
アパレルスタッフの離職率は?
2~5年程度で店長に昇格するケースも多い反面、パートやアルバイトも多く離職率は高めです。
厚生労働省が発表した平成31年3月卒業者の就職後3年以内の離職率は、アパレルを含む生活関連サービスは次のとおりです。
- 高卒:57.2%
- 大卒:47.4%
高卒の就職3年以内の離職率は6割近くとなっており、宿泊業・飲食業に次ぐ第2位となっています。
参考:新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します│厚生労働省
アパレル業界の30代の年収は?
2022年「クリーデンス」の調査によれば、30代前半の販売スタッフは332万円であるのに対し、30代後半のマーケティング職は575万円と250万円もの差があります。
同じアパレル業界でも職種によって年収と年収のアップ率に差が出るようです。
年収が高い順に並べると、「マーケティング」「営業・店舗開発」「バイヤー」「デザイナー」の順となっています。販売スタッフは、アパレル業界の中でも一番年収が低い職種になります。
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によれば、販売スタッフの平均年齢は42.6歳で平均年収は357.7万円です。
販売職であれば30代と40代とで大きく年収がアップすることはなさそうですね。
年収アップを狙うのであれば、本社正社員になるか他業種・他業界へ転職するかのどちらかでしょう。
参考:アパレル業界の平均年収と転職動向│クリーデンス
衣料品販売│jobtag
アパレル業界で年収500万円以上稼ぐには?
アパレル企業の総合職に転職しましょう。
仕事の内容は、次のような業務がメインとなります。
仕事内容
- 経営企画
- 商品企画
- 店舗運営
- 人材育成
- 販売促進
- 人事・経理
現場スタッフではありませんが、好きなブランドや好きな業界で働ける魅力があります。
最後に|30代で転職するなら早い決断を!資格やスキルでアピールしよう
30代の転職は前半と後半では求められる能力に差が生じてきます。
30代前半であれば、ポテンシャルやポータブルスキルを、30代後半であれば資格取得や即戦力を武器に転職活動に取り組みましょう。
アパレル業界でも職種によって年収が違うため、アパレルの高年収業種への転職もおすすめです。自分の適性や理想のライフスタイルなどをしっかり分析して転職先を選びましょう。
もし転職活動に不安を感じているなら、転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。
30代の貴重な時間を有効に使えるよう、早めに決断し行動しましょう。
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