自営業からの転職は可能？正社員として働くメリットやデメリットと注意点とは
自営業（フリーランスや個人事業主）から正社員へと転職したいと考えている方は少なくありません。しかし、「自営業の経歴では正社員採用は難しいのでは？」と不安になることもあるでしょう。本記事では、自営業から企業の正社員になることは可能なのか、転職するメリット・デメリット、そして転職活動を成功させるポイントや注意点について解説します。
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高校卒業後、某大手靴販売店にて靴・アパレルの販売を経験。 3年間働き、アメリカへ語学留学。2年目に現地のカレッジに入学し、経営学とマーケティングを専攻。 1年後に興味のあったスペイン語を学びに、南米コロンビアに10ヶ月間留学。 帰国後、エージェントからの紹介で2017年3月に不動産ベンチャーに入社。 投資用のアパート、マンションの買取再販の営業やいくつかの新規事業の立ち上げに携わり、2018年の5月より開始した人材紹介事業が軌道に乗り、法人化するタイミングで転籍。 その後、大阪支社の責任者として大阪へ赴任して支社の立ち上げに従事し、2020年7月末で退職。 2020年8月に株式会社Revengersを設立。これまで約3000人以上の方のキャリア相談に乗る。
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自営業から正社員への転職は可能？
結論から言えば、自営業から正社員への転職は可能です。実際、フリーランスや個人事業主として働いた後に企業で正社員として再スタートを切る人も増えています。転職市場では以前ほど「自営業だった人だから採用しにくい」という偏見は薄れてきており、あなたのスキルや経験次第でチャンスを掴めるでしょう。
ただし、企業によっては自営業経験に懸念を持たれることもあり、対策が必要です。しかし、それらをしっかり対策し、企業にあなたの強みを伝えれば、正社員への転職は決して夢ではありません。
自営業から正社員への転職は不利なのか
「自営業から正社員への転職は不利になるのでは？」と心配する声もあります。結論として、自営業の経歴があるからといって一概に不利になるわけではありません。ただし、有利に働くとも言い切れず、企業側が慎重に見るポイントがあるのも事実です。ここでは企業が抱きがちな懸念について、主な理由を2つ挙げて説明します。
【理由1】自営業から正社員への変化に対応できないというわけではない
企業側は「自営業者は組織のルールに従えないのでは」と心配しがちですが、多くの自営業者はクライアント対応や納期管理など責任ある業務を自律的にこなしています。自営業で培った自己管理能力や主体性は正社員になってからも強みになるため、組織のルールに適応しチームで働く意思があると示せればこの懸念は払拭できます。
【理由2】能力値やスキルが判断されにくい
もう一つの懸念は、自営業者の能力やスキルが企業側から判断しにくいという点です。正社員の転職なら前職でのプロジェクト実績が伝わりやすいですが、自営業では業務が多岐にわたるため履歴書には仕事内容や売上高などを記すことになります。企業側にとっては、そうした数字や成果からあなたの実力を測りにくいため、選考でも慎重になりがちです。
もっとも、これらの不安も事前の工夫でカバーできます。自営業時代の実績やスキルを整理し、「自分は何ができて、その経験が御社でどう役立つのか」を明確に伝えれば、企業側の心配は軽減できるでしょう。不利に感じる部分も工夫次第で補えます。
自営業から正社員へ転職するメリット
自営業から正社員へ転職することで得られるメリットも多々あります。ここでは主なメリットを4つ紹介します。自営業を続ける場合との比較で、正社員になることで得られる安心感や利点を確認してみましょう。
すべて対応しなければならない責任が減る
自営業者は、営業から実務、経理、雑務まで全て自分で対応し、常に全責任を背負って働いています。仕事の進行だけでなく経営判断やトラブル対応まで一人でこなすため、大きなプレッシャーを感じる場面も多いでしょう。
一方、正社員として働く場合、担当業務の責任はありますが**「会社全体の責任を一人で背負う」ことはありません。** 経営上の判断は経営者や上司が行い、自分の職務範囲外の問題は各部署の専門担当者がサポートしてくれます。そのため精神的な負担は自営業時代に比べて軽くなる傾向があります。「自分一人で全て抱え込まなくて良い」という点は、正社員になる大きな安心材料でしょう。
バックオフィスなど経理業務が無くなる
自営業で面倒なのが、バックオフィス系の雑務です。例えば確定申告や帳簿付け、経費精算、年金・税金の管理など、営業以外の事務作業にも多くの時間を割かねばなりません。特に経理業務は専門知識が必要で、苦手に感じる個人事業主の方も多いでしょう。
正社員として企業に入れば、基本的に経理や総務の部署がそうした業務を代行してくれます。自分で税金計算をしたり役所に手続きをしたりする必要がなくなり、本来の業務に集中できる環境が整います。雑務に追われず仕事に専念できるのは、正社員のメリットと言えます。
収入が安定しやすい
自営業の場合、案件を自分で獲得できなければ収入はゼロになります。月によって売上が大きく変動し、「来月もこの収入が続くのだろうか…」と不安になることもあるでしょう。景気や顧客状況によって収入が上下するのは、個人事業主にとって避けられないリスクです。
その点、正社員になれば毎月決まった給与が支給される安定感があります。会社が安定してさえいれば、自分の給与も基本的には保証されますし、社会保険や福利厚生も整っています。収入の変動に怯える必要がないので生活設計が立てやすく、将来への安心感が得られるのは大きな魅力です。収入の安定性は正社員転職のメリットの一つでしょう。
先輩や上司など頼れる人がいる
自営業者は基本的に自分が経営者です。困ったときに指示を仰いだり相談したりする「上司」や「先輩」は存在せず、全て自分で解決する必要があります。孤独を感じたり、自分の判断に不安を覚えたりする場面もあったかもしれません。
正社員として組織に入れば、職場には頼れる上司や先輩、同僚がいます。 わからないことがあれば教えてもらえますし、業務量が厳しいときにはチームで助け合うこともできます。また、職場の人間関係から新しい学びや刺激を得られるのも組織で働く醍醐味です。「自分一人ではない」という安心感は、正社員として働く大きなメリットと言えるでしょう。
自営業から正社員へ転職するデメリット
メリットがある一方で、自営業から正社員になることで感じるデメリットも存在します。自由度の高さが失われたり、自営業ならではの良さが減ってしまう面もあるでしょう。ここでは代表的なデメリットを3つ挙げてみます。
働く時間・場所を制限され休暇が取りにくいなど自由が無くなる
自営業最大の魅力は「自由度」です。自分の好きな場所で仕事ができ、働く時間や休みも自分の裁量で決められるのは個人事業主の特権でした。仕事が軌道に乗れば「今週は集中的に働いて、来週は長めに休む」といった柔軟な調整も可能だったでしょう。
しかし正社員になると、企業の就業規則に従って働く必要があります。勤務時間や勤務地が指定され、有給休暇も好き勝手に取れるわけではありません。急に旅行に行きたくなっても会社の許可なしには難しいですし、「今日は気分が乗らないから休もう」という自営業的な発想は通用しません。時間や場所の自由が制限される点は、正社員になる上で避けられないデメリットです。
自営業の時の実績が採用に影響する
自営業時代の成果は転職時の判断材料となるため、実績が乏しいと選考で不利になるケースもあります。また、転職理由があまりにネガティブだと「この人はまた独立するのでは？」と懸念されてしまうこともあるでしょう。ただし、たとえ事業が上手くいかなかった場合でも、その経験から得た学びやスキルをアピールし、前向きな転職理由を示せば挽回可能です。
収入は安定するが収入を増やすチャンスは少ない
正社員は毎月決まった給料がもらえる安定感がある反面、自分の頑張り次第で収入が大きく跳ね上がるチャンスは少なくなります。自営業であれば、努力やアイデア次第で収益を倍増させたり、大きな利益を得る可能性もありました。良い意味でも悪い意味でも、収入は自分次第で青天井だったわけです。
それに対して会社員の場合、会社の給与テーブルに従って段階的に昇給していくのが一般的です。営業職でインセンティブがある場合など一部を除けば、「来月から収入を倍にする」といった劇的な収入アップは望めません。また、会社の業績が好調でも自分の給料に反映される割合は限定的です。安定を得る代わりに、夢のような高収入を狙う面白みは減ってしまうと言えます。
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自営業から正社員のおすすめ業種
では、自営業を経験した人が正社員として転職しやすい、あるいはスキルを活かしやすい業種にはどんなものがあるでしょうか。ここではおすすめの業種・職種を3つ紹介します。自身の経験や適性に照らし合わせて、興味のある分野がないかチェックしてみてください。
東京・対個人の訪問営業
個人宅や一般消費者に対して商品やサービスを提案する訪問営業は、自営業からの転職者に向いている職種の一つです。訪問営業はフットワークの軽さや対人コミュニケーション能力が求められますが、自営業で培った営業力やプレゼンテーション力が活かせる場面が多いでしょう。成果に応じてインセンティブ（歩合給）が支給される会社も多く、自分の頑張りが収入に反映される点が元自営業者にとってやりがいに繋がります。未経験歓迎の求人もあり、正社員として安定した立場を得ながらスキルを発揮できる職種と言えます。
インサイドセールス
インサイドセールスとは、電話やメール、オンライン商談などを通じて非対面で行う営業スタイルです。オフィス内で完結する営業活動のため、外回りをせず計画的に仕事を進めやすいのが特徴です。
対顧客のやり取りを自営業で経験してきた人なら、インサイドセールスでも顧客対応力を発揮できるでしょう。あらかじめトークスクリプト（営業トークの台本）が用意されているケースも多く、営業未経験でも取り組みやすい環境です。コミュニケーション能力や提案力を活かして内勤営業に挑戦したい人に向いています。中には未経験歓迎の求人や、シフト制で柔軟に働ける企業もあります。「営業経験はあるけれど外回りは体力的に不安…」という場合、オフィスワーク中心のインサイドセールスなら続けやすいでしょう。
対法人のカスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、企業向けに提供したサービスや製品の導入後、顧客がうまく活用できるよう支援する職種です。いわば導入後のアフターフォローやコンサルティング業務に近い役割と言えます。自営業者は顧客の課題をヒアリングして解決策を提案するコンサルティング的な能力を持っていることが多いため、法人顧客の伴走者となるカスタマーサクセス職では、自分の経験を存分に活かせるでしょう。
カスタマーサクセスの魅力は、土日祝休みなどワークライフバランスを取りやすい環境の企業が多いことです。未経験からチャレンジできる求人もあり、営業とサポートの中間のようなポジションで顧客と長期的に関われ、やりがいも感じられます。
自営業から正社員への転職する方法
では、実際に自営業から正社員へキャリアチェンジするにはどういった方法があるでしょうか。ここでは代表的な3つのアプローチを紹介します。自分に合いそうな方法を組み合わせて転職活動に活かしてみてください。
取引先から正社員へオファーを受ける/入社希望を伝える
自営業時代に取引のあったクライアント企業から正社員のオファーをもらうケースがあります。たとえばフリーランスとして携わっていたプロジェクト先で「ぜひうちに社員として来てほしい」と声をかけられるパターンです。取引先にとってあなたは実力や人柄を理解している相手なので、採用するメリットが大きく、お互いにとって自然な流れと言えます。
こちらからアプローチすることも可能です。関わった企業で「この会社の一員として働いてみたい」と思える所があれば、思い切って自分から入社の意志を伝えてみるのも一つの方法です。取引先との信頼関係が構築できていれば、話が進む可能性は十分あります。ただし、契約形態の変更に伴うタイミング調整など実務的な手続きは必要です。
知人や友人に紹介してもらう
ビジネス上の繋がりや知人ネットワークを活かして、友人・知人に転職先を紹介してもらうのも有効な方法です。業界仲間や元同僚、取引先の担当者などに「正社員への転職を考えている」と相談してみると、思わぬツテから求人情報が入ってくることがあります。
特に信頼できる知人からの紹介であれば、企業側も安心感を持ちやすくなります。自分一人で求人を探すより効率的ですし、書類選考や面接でも推薦者がいることでプラスに働く場合があります。ただし、紹介されたからといって必ずしも自分に合う職場とは限らないため、条件面や仕事内容はしっかり確認しましょう。
転職エージェントを利用する
未経験の業界に挑戦したい場合や、自分の強みをどうアピールすればいいか悩んでいる場合は、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントは求人紹介や書類添削、面接対策までサポートしてくれる心強いサービスです。自営業経験者向けの求人を提案してもらえたり、経歴のアピール方法について助言を受けられるため、上手に活用しましょう。
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自営業から正社員への転職を成功させるポイント
最後に、自営業からの転職を成功させるために押さえておきたいポイントを解説します。これらを意識して準備・行動することで、選考通過の可能性を高められるでしょう。
経験と実績を活かせる仕事を探す
せっかく自営業で積んだスキルや知見があるのですから、それらを最大限活かせる職種・業界を選ぶことが成功への近道です。例えば、Webデザイナーのフリーランスだった人は全く異業種の営業職より、過去の制作実績を評価してもらえる企業でデザイナー職を目指す方が有利です。
自営業で培った強みが活きる仕事を選べば企業から即戦力として評価されやすくなりますが、経験とかけ離れた職種では未経験者扱いとなってしまうこともあります。自分の市場価値を高めるためにも、「自分の何が企業に貢献できるか」を軸に職種選びをしましょう。
なぜ正社員に転職したいのか理由を明確にしておく
転職活動を始める前に、自分がなぜ正社員になりたいのかをはっきり言語化しておきましょう。この理由が曖昧だと、履歴書の志望動機や面接での受け答えに一貫性がなくなり、企業側に不信感を与えてしまいます。
「収入を安定させたい」「一人ではできない大規模な仕事に挑戦したい」「チームで働いて成長したい」など、どんな理由でも構いませんが、それを前向きな表現でまとめておくことが重要です。ネガティブな動機（「自営業に疲れた」「うまくいかなかった」など）だけでは志望動機として不十分です。
自分の中で正社員志向の理由がクリアになっていれば、応募先企業に対しても筋の通った説明ができますし、面接で「また自営に戻るのでは？」と聞かれても説得力のある回答ができます。正社員になる目的や将来のキャリアビジョンを明確に描いておき、それに沿う形で転職先を探しましょう。
自営業から正社員への転職する際に企業側が懸念するポイント
企業側は、自営業からの転職者を採用する際にいくつか懸念を抱くことがあります。先ほど触れた適応力や実績以外にも、以下のようなポイントを気にする担当者もいるでしょう。事前に企業の視点を理解しておくことで、書類や面接で適切なアピールができます。
チームワークを尊重できるか
組織で働く上で欠かせないのがチームワークです。自営業では基本的に単独で仕事を進めますが、企業では部署内やプロジェクト単位でチームとして動くことになります。採用担当者は「この人は周囲と協調して働けるだろうか？」という点を注視します。
採用担当者は、長くフリーで働いてきた人に対し「自己流にこだわり、組織のやり方に合わせられないのでは」と懸念しがちです。面接では、人と協力して成果を出した経験を伝えて協調性をアピールすると効果的でしょう。
ビジネスマナーの教育を受けていないのではないか
最初から企業勤めの経験がない人には、会社員としての基本マナーが身についていないのではと懸念されることがあります。企業側は社内ルールや上下関係のマナーを一から教える必要があるかもしれないと考えがちです。面接では丁寧な言葉遣いを心がけ、「自営時もビジネスマナーに留意していました」と伝えるなどして不安を和らげましょう。
なぜ正社員になりたいのか
企業側は長期的に活躍してくれるかを見極めるため、「なぜ正社員になりたいのか」と「また独立しないか」を特にチェックします。志望動機や面接でこの質問をされた際には、明確で一貫した回答を心掛けることが大切です。前向きな転職理由を用意し、「御社で◯◯に挑戦したい」「チームで自分のスキルを活かしたい」などと熱意を伝えましょう。
自営業から正社員を目指す志望動機のポイント
志望動機では、消極的な理由ではなく前向きな動機を述べることが重要です。自営業で培ったスキルや実績を具体的に示し、それを応募先企業でどう活かせるかをアピールしましょう。また、企業研究を行い「なぜその企業なのか」という点も盛り込み、御社で成し遂げたいことを明確に伝えると説得力が増します。
自営業から正社員を目指す面接対策のポイント
面接ではまず自営業での事業内容や実績を数字を交えてわかりやすく説明することが大切です。また、正社員を志望する理由は終始ポジティブに一貫して伝え、ネガティブな本音は避けましょう。さらに、チームワークへの意欲や柔軟性を示し、礼儀正しく謙虚な姿勢で臨めば、企業側の不安を払拭できます。
自営業から正社員への転職はエージェントやサイトを利用しよう
自営業から正社員への転職を成功させるためには、情報収集と専門的なサポートが欠かせません。そこで活用したいのが転職エージェントや転職サイトです。
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加えて、転職エージェントを利用すればキャリアのプロによる個別支援が得られます。自営業経験をどうアピールするか悩んだときも、エージェントが客観的な視点でアドバイスしてくれますし、応募先企業に合わせた面接対策も受けられます。また、あなたの強みを企業に推薦文で補足して伝えてくれるため、書類だけでは伝わりにくい点もカバーできます。
転職サイトで幅広く求人をチェックしつつ、転職エージェントでプロのサポートを受けながら応募先を絞り込むと良いでしょう。自営業からのキャリアチェンジは不安も多いかもしれませんが、これらのサービスを上手に活用すれば心強い味方となります。正社員転職を成功させましょう
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