大学中退の末路とは?大学を中退する理由も解説!
大学中退するとどのような末路が待っているのか、という疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実は、大学を中退してしまうと就職に不利になることがあるなど、あまり好ましくない末路が待っていることもあります。なぜなら、大学を中退することで、その後の就職活動の進め方が分からなくなって停滞してしまう方も多いからです。
本記事では、大学を中退する理由や就職で不利な時に何をすればよいのかを解説しています。最後までご覧いただければ、大学中退後はどのように就職活動を進めれば良いか分かるようになっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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高校卒業後、某大手靴販売店にて靴・アパレルの販売を経験。 3年間働き、アメリカへ語学留学。2年目に現地のカレッジに入学し、経営学とマーケティングを専攻。 1年後に興味のあったスペイン語を学びに、南米コロンビアに10ヶ月間留学。 帰国後、エージェントからの紹介で2017年3月に不動産ベンチャーに入社。 投資用のアパート、マンションの買取再販の営業やいくつかの新規事業の立ち上げに携わり、2018年の5月より開始した人材紹介事業が軌道に乗り、法人化するタイミングで転籍。 その後、大阪支社の責任者として大阪へ赴任して支社の立ち上げに従事し、2020年7月末で退職。 2020年8月に株式会社Revengersを設立。これまで約3000人以上の方のキャリア相談に乗る。
大学生が中退を選ぶ理由3選
大学中退後の末路について知る前に、まずは、大学生が中退する理由として多いものを3つ、ご紹介します。
理由1:経済的な理由
文部科学省「新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査」によると、2020年の4~12月までに大学を中退した学生のうち、「経済的困窮」が要因で中退した人の割合は、19.3%という結果です。
ただし、2014年の文部科学省の調査でも、経済的理由で中退・または休学した学生の割合は20.4%という結果が出ています。2020年に発生した新型コロナウイルスの影響で、学費を払えず中退した学生が急激に増えたわけではなく、昔から、金銭的な理由で大学を中退する学生は一定数存在するということが見えてきます。
経済的な理由で大学を中退する背景には、以下が考えられます。
- 両親が失業し、大学に通うどころではなくなってしまった
- 家族が病気になり、治療にお金が必要になった
- バイトをして学費を払っていたが、両立が厳しくなった
- 家業がうまくいかなくなり、自分も一緒に働かなければいけなくなった
- 留年や休学を繰り返し、学費が支払えなくなった
意外とあるのが、進級できず留年などを続けて4年分以上の学費を払うことになり、支払いが難しくなったケースです。経済的な理由は本人のせいでないことがほとんどですが、このケースに限っては、自分自身の生活を反省する必要はあるでしょう。
理由2:やりたいことを見つけた
大学中退において、唯一のポジティブな理由です。大学に通いながらではどうしてもできないような「やりたいこと」は、以下が考えられます。
- 時間をかけて打ち込みたい仕事が見つかった
- 芸能活動・起業などに集中したいと考えた
- 海外で実現したい夢・目標ができた
- 本当に学びたいことを学べる学校へ行くことにした
いずれも「大学が嫌だから」ではなく、能動的な理由です。もちろん中退には慎重になるべきですが、大学を辞めてでもやりたいことがあり、親や周囲を説得することができれば、大学中退はマイナスにはならないことも多いでしょう。
注意点としては、その「やりたいこと」に途中で挫折したり、叶わなかったりしたときにどう感じるかです。人によっては「あのとき、やっぱり大学を辞めなければよかった」と思うことがあるかもしれません。
理由3:精神的な理由
大学を精神的な理由で中退する場合、主に以下のようなケースが考えられます。
- 友人ができず、孤独に耐えられなくなった
- 大学が合わず、精神的に落ち込むようになった
- 部活やサークルなどに行きづらくなり、つらくなった
- 学校やゼミなどで浮いていると感じ、ネガティブになった
- もともとの精神的な持病が再発・悪化した
大学は、高校までと比較すると非常に自由なところです。しかしその反面、担任の先生が心配してくれたり、常にクラスメイトが周りにいてくれたりするわけではありません。場合によっては、4年間ほぼひとりで過ごすこともできてしまう場所でもあります。
学内の人間関係につまずいたり、大学がミスマッチだと感じたりしたとき、相談できる人が学校内にいないとどんどんマイナス思考になり、学校へ通えなくなりそのまま中退…ということになる学生も、ある程度いるかもしれません。
大学中退の5つのメリット
この章では、大学中退のメリットを5つ紹介します。
あなたの置かれている状況によって、そのメリットが持つ価値は変わります。
その点に留意しながら、参考にしてみてください。
- メリット①自分のやりたいことに専念できる
- メリット②学費を払う必要がなくなる
- メリット③いち早く社会経験を積める
- メリット④大学に関する在学によるストレスがなくなる
- メリット⑤環境や人間関係をリセットして心機一転しやすい
メリット①自分のやりたいことに専念できる
1点目は「自分のやりたいことに専念できる」です。
これは大学に在学することで行動が制限されたり、時間が足りなかったりして困っている人が感じるメリットです。
例えば、「起業して経営に専念してみたい」という人や、「ワーキングホリデーで海外に働きに出たい」という人など、大学を中退することで、「やりたいこと」に思う存分、力を注げるようになる場合があります。
とはいえ、「やりたいこと」次第では、大学に在籍しながらでも注力できる可能性があります。
大学中退を選ぶ前に、大学との両立を検討することは忘れないようにしましょう。
メリット②学費を払う必要がなくなる
「学費を払う必要がなくなる」というのも、大学中退の大きなメリットです。
現在、1年あたりの国立大学の授業料は約50万円、私立大学の平均授業料は約90万円と、大学に通うためには少なくない費用がかかります。(参考:文部科学省『【参考2】国公私立大学の授業料等の推移』、)
一人暮らしをしている場合には、学費に加えて生活費も少なからず発生します。
大学中退理由の割合として、経済的理由が上位に付けているのは、前述の通りです。
そのため、こうした学費の支払いをしなくて済むというのを、一番のメリットに挙げる人もいるかもしれません。
メリット③いち早く社会経験を積める
中退後すぐに就職などをする場合には、同級生に比べて「いち早く社会経験を積める」点をメリットに挙げる人もいます。
「仕事」や「職場」を通じて職業上のスキルなどを身につけ、給料ももらうことができます。
特に経済的な困難を抱えている場合には、大きなメリットかもしれません。
とはいえ、長いスパンで「大卒で働き始める同級生」と比較したときには、2、3年の早さがどのくらいアドバンテージになるかは、一概には言えません。
また、在学中にも、アルバイトやインターンシップで、「それなりの」社会経験を積むことは可能です。
さらに「高卒」は、「大卒」を比較したときに、就職先の選択肢が狭まる可能性があることも事実です(後述します)。
そのため、先々のことを考えた上で、「本当にメリットと言えるのかどうか」を考えてみる必要はあります。
メリット④大学に関する在学によるストレスがなくなる
4点目は「大学に関するストレスがなくなる」です。
学業不振や学校生活に馴染めないといった悩みを抱えている人には、これが一番のメリットかもしれません。
最近では、大学でのストレスが、うつ病などの精神障害につながって、辛い思いをしている学生さんも少なくないようです。
なお、大学に関するストレスは、大学中退をしなくとも、専門のクリニックでカウンセリングを受けながら休養したり、学校設置の相談室にいるカウンセラーに相談したりすることで、ある程度、解決できる場合があります。
また、発達障害などが原因で、学校生活や授業に慣れることができないという人は、大学の障害学生支援室に相談すれば、サポートを受けられる可能性があります。
大学中退でストレスから解放される面は確かにありますが、「卒業できるなら卒業したい」という希望を持っている人もいると思いますので、まずは周囲に相談してみましょう。
メリット⑤環境や人間関係をリセットして心機一転しやすい
最後は「環境や人間関係をリセットして心機一転しやすい」です。
人によっては、大学中退に明確な理由がなく、「なんとなく学校へ行く気にならない」「勉強する意味がわからなくなった」ということもあるかと思います。
また、例えばサークル活動やゼミなどの人間関係に疲れ切って、大学に通いたくないという人もいるでしょう。
そういう人は、大学を中退し、別の大学に入り直したり、違う進路を選んだりすることで、フレッシュな気持ちで再スタートを切れる可能性があります。
ただし、あまり後先考えずに中退したことで、「中退しなければよかった」といった後悔をする人もいないわけではありません。
ただ「今の環境をリセットしたい」と強く感じる人ほど、一度思いとどまってよく考えることをオススメします。
大学中退の7つのデメリット
ここからは、大学中退のデメリットを紹介します。
全部で7点ありますので、順に見ていきましょう(前章「メリット」の裏返しな部分もあります)。
- デメリット①卒業できないことで遠回りをした気分になる
- デメリット②最終学歴が高卒のため、就職時の条件に満足できない
- デメリット③学び直しを選んだ場合に受験勉強をやり直す必要がある
- デメリット④面接などで大学中退の経緯ばかり聞かれる
- デメリット⑤大学の支援やサービスを受けられなくなる
- デメリット⑥大学の友人と疎遠になる可能性がある
- デメリット⑦「何もしない期間」ができる可能性がある
デメリット①卒業できないことで遠回りをした気分になる
1点目は「卒業できないことで遠回りをした気分になる」です。
大学中退を考える人の中には、「これまでに勉強してきたことや支払ってきた学費が無駄になるのではないか」と思ったり、卒業に結びつかなかったことで「自分は周囲の人たちより遠回りをしているのではないか」と考え込んだりする人がいます。
また、親御さんなど周囲の人たちからも、「せっかく受験勉強を頑張って大学に入ったのに」と言われることもあるかもしれません。
しかし、「大卒」という学歴につながらなくとも、受験や在学中に学んだことや、得られた友人など、大学中退後も残るものは多くあります。
ですので、「(すべてが)無駄になった」と極端に考えないようにしましょう。
また実際に無駄や遠回りだったとしても、それらは絶対的に悪いものでもありません。
デメリット②最終学歴が高卒のため、就職時の条件に満足できない
「最終学歴が高卒のため、就職時の条件に満足できない」というのも、よく聞くデメリットです。
大学を中退すると、最終学歴が「高卒」になりますが、「高卒」と「大卒」では就職時の条件に差が出ます。
まず、「高卒」と「大卒」で求人職種に差があることは、各種求人サイトなどですぐにご確認いただけると思います(例えば「大企業の総合職」「メーカーの開発職」などは、対象を大卒に限っていることも珍しくありません)。
次に、給与の点で言えば、2018年度の厚生労働省の調査によると、次のような違いがあります。(参考:厚生労働省『平成30年賃金構造基本統計調査の概況』)
- 大学・大学院卒の平均賃金:約40万円
- 高卒の平均賃金:約29万円
大卒と高卒では、10万円以上の開きがあります。
これは、一つには、高卒の場合には「正規雇用」が少ないことが要因として考えられます。
2018年度の厚生労働省による別の統計によれば、15~34歳までの若年労働者における正社員の割合は、最終学歴によって大きな差があります。(参考:厚生労働省『平成30年若年者雇用実態調査の概況』)
- 大卒:80.9%
- 高卒:56.3%
さらに、少し前の資料になりますが、2012年に独立行政法人別の資料によると、高卒でそのまま就職するのと、大学中退後に就職するのとでも、差が出ているのです。(参考:労働政策研究・研修機構『大学等中退者の就労と意識に関する研究』)
- 大学中退(=最終学歴は「高卒」)での正社員の割合:26.4%
- 高卒での正社員の割合:44.3%
- 大学中退(=最終学歴は「高卒」)非正規の割合36.6%
- 高卒での非正規の割合:24.3%
もちろん、非正規雇用には、正規雇用に比べて、「雇われやすく、辞めやすい」「興味のある仕事を掛け持ちしやすい」「シフトによって労働時間を調整しやすい」などといった利点も多くあります。
その一方で、「給料、福利厚生、キャリア」の点から言えば、一般的には非正規雇用(アルバイト・パートなど)よりも、正規雇用の方が条件がよいと考えられます。
そのため、正社員の就職を希望していても、高卒での求人が比較的少ないため、本人が望まない非正規での就職を選択し、「条件に満足できない」という人もいるようです。
デメリット③学び直しを選んだ場合に受験勉強をやり直す必要がある
大学を中退すると、「学び直しを選んだ場合に受験勉強をやり直す必要がある」というデメリットが発生します。
具体的には、他の大学を受験したり、専門学校などに進学したりする場合です。
「大学入学から間もない」「現役生の頃に付けた学力が残っている」という人でも、改めて受験する大学の入試傾向を把握して、その傾向にあった対策を進めることが必要になります。
しかし、学び直しを選ぶ人の中には、こうした受験勉強を含めて「改めて勉強するよい機会になった」とポジティブに捉える人もいるかもしれません。
デメリット④面接などで大学中退の経緯ばかり聞かれる
デメリットの4点目は「面接などで大学中退の経緯ばかり聞かれる」です。
特に、中退後の就職活動などでは、履歴書の学歴欄と年齢を照らしあわせて、どういう経緯で就職に至ったのかを面接で問われる場面が増えるでしょう。
そのときに、明確な大学中退の理由がない場合や、面接担当者が好ましくないと思われるような中退理由であった場合には、言い回しに悩むかもしれません。
このような、「面接で大学中退の経緯を追及される」「理由をどう語ればいいのか悩む」ことをデメリットに感じる人も少なくありません。
ただ逆に、大学中退の理由やきっかけを前向きに伝えることができれば、面接官から好意的に理解されることもあります。
デメリット⑤大学の支援やサービスを受けられなくなる
5点目は「大学の支援やサービスを受けられなくなる」です。
大学を中退すると、奨学金制度の利用や、学習相談室・キャリアセンターでのサポート、図書館といった施設の利用ができなくなります。
細かなところで言えば、大学実施の健康診断を受けられなくなったり、各種学割が効かなくなったりといったことが挙げられるでしょう。
普段から大学の設備やサービスの恩恵を受けている人にとっては、大きなデメリットとなるかもしれません。
デメリット⑥大学の友人と疎遠になる可能性がある
6点目は「大学の友人と疎遠になる可能性がある」です。
友人がそのまま大学に通い続けている一方で、自身が大学中退後に就職をするなど、異なる進路を取ると、環境や生活が変わることで、友人と多少の距離感を覚える可能性があります。
また、学生時代のように、大学での共通の話題で盛り上がることも減るかもしれません。
とはいえ、友人との人間関係は、大学中退に限らず、時と場合によって変わりうるものですし、中退後も変わらずに付き合い続けられる人もいますので、「人による」ところが大きいでしょう。
一概に「大学を中退したから友達と疎遠になった」と決めつけたり、思い込んだりする必要はありません。
デメリット⑦「何もしない期間」ができる可能性がある
最後は「『何もしない期間』ができる可能性がある」です。
進路を決めずに大学中退した人の中には、仕事や学び直しをせずに、どうすればよいのかわからないまま、毎日を過ごす人もいます。
また、体調を崩したことが大学中退の要因であった場合には、そもそも「何もできない」という人もいるでしょう。
こうした「何もしない期間」は、必ずしも「悪いこと」とは限りません。
長い人生の中にはそんな期間があってもよいでしょうし、「そのブランクがあったからこそ、今後の人生で巻き返しを図ろうと決心し、頑張ることができた」と言う人もいます。
しかし、後になって振り返ってみると、「あのときにもっと頑張れたのではないか」と、負い目を感じる人もいるのです。
また、その時点では生活に支障がなくても、先行きに不安を感じたり、就職活動で空白期間について尋ねられたりと、ストレスを抱え込む人も少なくありません。
どうすればよいのかわからないまま、「何もしない期間」だけが延びていくことに、焦りを感じる人もいるかと思います。
確かに「何もしない期間」があっても、生活ができれば、気にする必要はないかもしれません。
ですが、その後の人生で、「何もしない期間」が困難を招く可能性があるということは、頭の片隅に留めておいてもよいでしょう。
大学を中退して良かったという人も多い
大学を中退して、むしろよかったと感じている人の意見には、以下があります。
- 自分に合う企業に就職でき、学生時代より充実している
- 空白期間に、就職してからではできないような経験ができた
- 自分と真剣に向き合うきっかけになった
- 追い込まれたことで、かえって人生に本気になれた
- 親への甘えがなくなり、自立することができた
大学を中退して「何者でもない時期」を過ごしたことが、その後の仕事選びや人生によい影響をもたらした人もいそうです。また、中退して後がない状態になったことで本気で就職活動をした人、就職して精神的・経済的に自立できたことで自信がついた、という人もいるようです。
文部科学省「新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査」によると、2020年の4~12月までに大学を中退した学生のうち、「その他」が17.5%、「就職・起業等」は14.1%、「転学」は12.9%、「海外留学」は0.7%です。
もちろん、このなかにはネガティブな理由で中退した人もいるでしょう。しかし、大学を中退したからこそ、新たな人生を切り開くことができた人も決して少なくないことが予想されます。
大学を中退した末路は「就職が不利になる」という影響
転職鉄板ガイド「大学中退者、その後の人生は?」によると、「大学中退後、就職に不利だと感じたことがあるか」という質問に対して「ある」と答えた人の割合は62%です。
不利だと感じた人の行動パターンや理由には、以下が考えられます。
- ハローワークへ行ったが、いい求人がなかった
- ハローワークの職員に相談したが、中退であることを非難された
- 求人を探したが、「大卒以上」が多いことを実感した
- 面接まで進んだが、中退の経歴に難色を示された
- 「高卒(大学中退)」と「大卒」の給料の差にやる気をなくした
大学中退者は、ひとりだけで就職先を探すことはおすすめしません。自己流の就活になってしまっている、ブラック企業などに引っかかるリスクがある、自己アピールが適切にできずなかなか内定が取れない、自己分析が不十分のためミスマッチになりがち、などの理由からです。
大学中退後の進路8選
ここからは具体的に、大学中退後の進路を紹介します。
大学中退後の進路を決めるときには、親御さんなど周囲の人に必ず相談するようにしましょう。
また、その進路にすでに進んでいる人や、似た経験を持つ人などに体験談を聞くのも、大きな参考になります。
一人で抱え込まずに、周りの人の助けを得ながら、あなたに合った道を選ぶようにしましょう。
- 進路①一般企業に就職する
- 進路②公務員試験を受ける
- 進路③(国家)資格を取得して専門職に就く
- 進路④他大学を再受験する
- 進路⑤専門学校に入学する
- 進路⑥海外留学する
- 進路⑦フリーランスで働く(または起業する)
- 進路⑧療養する
進路①一般企業に就職する
1つ目は「一般企業に就職する」です。
大学中退の状態で就職活動をする際には、基本的には「高卒」での応募になりますので、募集条件をよく確認するようにしましょう。
ベンチャー企業やNPO法人などには、「学歴不問」で、「人柄・能力・カルチャーフィットなどを重視する」といった応募を出しているところもあります。
なお、高校を卒業せずに、「高卒認定」を取って大学進学をした人は、中退後の正式な学歴が「中卒」になるため、「高卒以上」が条件の求人には応募できない可能性があります。
ただし、高卒認定を高卒とみなす企業や団体もありますので、気になるようならそれぞれの企業・団体などに問い合わせてみてください。
進路②公務員試験を受ける
大学中退後に「公務員試験を受ける」という進路もあります。
公務員試験の中には、「高卒」で受けられる枠もたくさんあります。
ただし、試験に通るためには、それ相応の勉強をしなくてはなりません。
公務員試験対策をしている予備校などに相談し、募集要項なども含めて確認した上で、対策することをオススメします。
進路③(国家)資格を取得して専門職に就く
大学中退後に「(国家)資格を取得して専門職に就く」人もいます。
特に、勉強に集中して取りたい資格があるから、特定の専門職に就くのが夢だったからという理由で中退した人には、自然な選択かもしれません。
後述するように「専門学校」に入り直して、資格勉強だけでなく、技能訓練などを受ける人もいます。
しかし、前にも述べたように、基本的には大学に在籍しながらでも資格勉強ができないかどうかをよく検討した上で、進路を選ぶことをオススメします。
また、取得したい資格によっては、関連する大学(学部)や大学院の卒業が必要になることもあります。
進路④他大学を再受験する
4つ目は「他大学を再受験する」という進路です。
この進路は、次のような人たちが選んでいるようです。
- かつて在籍していた大学の制度や学風が性格に馴染まなかった
- 学校の人間関係をリセットしてやり直したかった
- 他の学科・専攻に興味が出てきたから他大学に入り直したくなった
- より研究環境の整った大学で学び直したくなった
- 現役での受験時に第一志望に受からなかったから、再挑戦したくなった
いずれの場合も、改めて受験勉強に取り組む必要がありますが、以前に受験をしたときとは志望校の必須科目が変わっていたり、制度が変わっていたりする可能性があります。
特に2021年度からは、これまでの「大学入試センター試験」に代わって、新制度に基づく共通テストが実施されますので、最新の受験情報を確認することが大切です。
そのため、「他大学を受験する」という人は、単に勉強のサポートをしてもらうだけでなく、そうした受験周りの情報を得るためにも、予備校や学習塾に通うことをオススメします。
進路⑤専門学校に入学する
手に職を付けたい人は、各種職業に直結する技術などを学べる「専門学校に入学する」のも良いでしょう。
専門学校とは、簡単に言うと、「職業人を育成するための学校」になります。
「実践的な職業教育」を受けられるという点では、学問がメインになる大学と異なりますが、「高等教育機関」という位置づけは同じです。
2018年度時点で、専門学校は全国に約2,800校あり、約59万人の生徒が学んでいて、大学中退後の進路として選ぶ人も少なくありません。(参考:文部科学省『専門学校とは』)
興味があるようでしたら、希望する専門学校のホームページを確認して資料請求をしたり、直接問い合わせたりしてみてください。
学校によってはオープンキャンパスを行っていますので、前もって雰囲気を知るためにも、一度学校を訪れてみることをオススメします。
進路⑥海外留学する
大学中退前に手続きを済ませて「海外留学する」という人もいます。
特に、「海外の大学で学びたい」「将来、海外でキャリアを築きたい」という人が選びやすい進路です。
また、日本の学校文化や教育に馴染めないゆえの大学中退であれば、あなたの性質に合った学校生活を送れるようになる可能性もあります。
私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)が知っている事例として、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドといった留学先の例が見られます。
ただし、向いている人には向いている選択肢ではある一方、「全員にオススメできる選択肢」ではないことは、正直にお伝えします。
それは、言語能力・お金・精神面・ビザなど、日本の大学とは別の大変さがあるからです(2020年8月現在では、新型コロナウイルスの関係もあります)。
留学までに整えなくてはならない段取りも多く、大学中退して「どうすればよいかわからない」という人が、勢いや「なんとなく」で実行するには、ハードルが高い面もあります。
本気で検討したい人は、家族と相談を重ねた上で、経験者や留学エージェントなどの意見を聞くことが大切です。
進路⑦フリーランスで働く(または起業する)
多くの人にとっては現実的と言えないかもしれませんが、大学中退後に「フリーランスで働く(または起業する)」というケースもあります。
中には、大学在学中に経営を始めて、軌道に乗り始めたから中退するという場合もあるでしょう。
起業に学歴は関係ありませんが、事業を立ち上げて軌道に乗せるには、大きな労力を必要としますし、万が一失敗に伴うリスクもあります。
ですので、単なる「憧れ」や「夢だから」というのではなく、よく計画を練った上で実行することが重要です。
周囲の事業経験があって信頼できる人や、身内の人などに、よく相談してから決めるようにしましょう。
進路⑧療養する
最後は「療養する」という選択肢です。
特に、大学中退の理由が、精神的な理由や傷病による場合は、専門医を頼った上で、しっかり療養するようにしましょう。
中には、経済的な理由など、就労しなくてはならない差し迫った理由がある人もいるかもしれません。
もちろん歯がゆく感じる気持ちは分かりますが、本格的に身体を壊すと、復帰までに余計に時間がかかりますので、まずは無理をしないことが大切です。
焦りを感じるのであれば、専門医だけでなく、臨床心理士によるカウンセラーなどを受けて、精神面のサポートを受けるのもいいでしょう。
また、後述するように、ケアと並行して就職準備などを後押ししてくれる支援機関もありますので、積極的に相談してみてください。
大学中退後に就職活動を成功させるコツ7点
コラムの冒頭で紹介しましたが、大学中退の主な理由が「就職」や「経済的理由」であることを踏まえると、大学中退後に多くの人が気にするのは「就職できるのか」という問題だと思います。
この章では、そうした不安をお持ちの人に、大学中退後に就職活動を成功させるコツを解説します。
繰り返しにはなりますが、前提として大切なのは、周囲の専門家に頼ることです。
特に、サポート実績のある支援機関であれば、あなたの悩みにあった的確なアドバイスを得られる可能性が高いです。
また、就職先の候補を提示したりなど、就職までの一貫したサポートを得られるのでオススメです。
一人で悩みを抱え込まずに、周囲の助けを借りながら、就職活動を進めましょう。
コツ①就職支援機関を利用する
最初のコツは「就職支援機関を利用する」です。
学歴などを問わずに就職活動をサポートしている機関は、公民を問わずたくさんあります。
例えば、各地に設置されている「ハローワーク」に登録すれば、就職相談の他に、履歴書や職務経歴書の書き方、面接時の受け答えのコツといった実践的なアドバイスを受けられます
ハローワークは職業訓練の窓口にもなっていますので、スキルを身につけたい人は問い合わせてみるとよいでしょう。
また、民間企業の就職エージェントを利用するのも、一つの手段です。
大手の人材サービス企業をはじめ、中退経験を活かせる人を対象にした人材紹介サービスもあります。
あなたの経験、性格、志望する業界などを正直に伝えることで、勤め先を紹介したり、履歴書の書き方や面接の受け方をサポートします。
これらの支援は「無料」で対応をしてくれることが多いので、「何から手を付けてよいかわからない」といった人にはオススメです。
公民いずれの場合も、基本的には専門家が支援にあたるため、非常に心強いサポートを受けられるでしょう。
コツ②入念に面接対策をする
2点目は「入念に面接対策をする」です。
先述したように、大学を中退した場合には、その経緯について詳しく聞かれるなど、様々な点で質問されることがあると思います。
そうしたときに、中退をネガティブに捉えず、むしろ自己PRに転化したり、言い回しを変えて好印象を与えたりできるかどうかが、重要なポイントになってきます。
また、あなたが問題ないと思っている所作、口癖、表情などであっても、面接官は別様に捉える可能性があるため、客観的な評価を受けられる面接対策が必要です。
前に挙げた就職支援機関や、後述する就労移行支援事業所などでは、面接経験も豊富な指導員が模擬面接をしたりと、実践的な訓練を積めるはずです。
こうした支援機関などもうまく活用しながら、面接対策をきっちりしましょう。
コツ③スキルを身につける
就職前に「スキルを身につける」ことも有効です。
具体的には、簿記の勉強、プログラミング、エクセル・ワードの操作といったことが、スキルとして挙げられるでしょう。
しかし、こうした専門的なスキル以外にも、ビジネスマナーや言葉遣いといった、コミュニケーションに役立つ「ソフトスキル」を身につけることも大切です。
ご自身で、そうした知識を養える書籍を読んで勉強したり、就職支援機関で講習を受けたりすれば、就職先の選択肢や志望する業界にも広がりが出て、よりあなたに合った勤め先に出会いやすくなるはずです。
経済的に余裕がある人は、社会人のスキルアップを目的とした講座に通うなども検討してもよいかもしれません。
コツ④心に余裕を持つ
意外と重要なのが、「心に余裕を持つ」ことです。
特に、大学を中退した人は、履歴書に空白期間ができることを避けるために、焦って就職活動をするなど、心に余裕がなくなることもあるでしょう。
しかし、心に余裕を持たないと、求人を確認する際に細かい条件などを見落としたり、あなたの性格にそぐわない職場に就職したりして、結果的に不本意な転職を繰り返すということにもなるかもしれません。
また、面接のときに余裕がないと、相手から「落ちつきのない人だ」「度量の狭い人かもしれない」と誤解されるなど、あなたの人柄が伝わらない可能性があります。
ぜひ、就職活動一辺倒にならずに、運動をしたり、友達と遊んだりと、リラックスする時間も取るようにしてください。
コツ⑤社会とのつながりを保つ
5点目は「社会とのつながりを保つ」です。
大学を中退して、社会的に所属する場所が無くなると、人によっては周囲から孤立することがあると思います。
しかし、一人きりになると、他人の意見や新しい情報が入ってこなかったり、精神的に辛くなったときに、適切なサポートが得られなかったりすることもあります。
アルバイト、趣味のサークル、ボランティアなど、身近で参加できることで構いませんので、できるだけ一人きりになることは避けるようにしましょう。
そうした経験は就職活動の場だけでなく、その後の人生においても活かす機会があるはずですので、社会とのつながりを保つことが大切です。
コツ⑥非正規やアルバイトから始める
正社員にこだわらず、まずは「非正規やアルバイトから始める」のも、一つの方法です。
特に、いきなりフルタイムで働くイメージが思い浮かばないという人や、病み上がりで少しずつ慣らしていきたいという人にオススメです。
非正規からでも、就労年数が長くなるにつれて、正社員への昇格を打診されるケースもあります。
フルタイムでの就労に抵抗感がある人は、まずは非正規やアルバイトも検討に入れてみてはいかがでしょうか?
コツ⑦就労移行支援を利用する(傷病が中退のきっかけになった人へ)
大学中退の理由が傷病による場合や、発達障害による学校生活不適などの場合は、「就労移行支援を利用する」という選択肢があります。
就労移行支援とは、障害者総合支援法に基づいて提供される福祉サービスです。
日常生活のアドバイスから仕事に役立つ専門スキルの指導まで、最低0円からサービスを受けられます。
また、就職先やインターンの紹介、事業所によっては就職後の職場定着支援までしているため、総合的なサポートを受けられる点が特長です。
ただし、発達障害や、うつ病などの精神疾患といった、特定の障害・病気を抱えていて、専門医による診断が下った状態にある、というのが支援を受ける条件になります。
相談や見学は無料ですので、興味のある就労移行支援事業所に問い合わせてみるとよいでしょう。
まとめ
「大学中退者の末路はどうしようもない」などと悲観する必要はありません。中退後から人生を立て直し、就職して社会人として活躍している人もたくさんいます。大学中退からキャリアを築いていくのには当然大変なこともありますが、その後の人生が満足いくものになれば、あとから振り返って「あのときの自分には、中退がベストだったんだ」と思えるでしょう。
大学中退後の末路が最終的にどうなるかは、自分次第です。ネガティブに捉えるのではなく、その経験を活かす方法で考えていきましょう。
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06/
20
2024
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